2016年6月8日水曜日

資料② 大阪金属問屋厚生年金基金~方向性再考に向けて~
*補足説明資料*【その4】
資料②はこちら http://oval-rms.com/daikin2016060102.pdf

2.後継制度の問題点③  (右下頁7頁目)
後継制度の設計(案)ですと、新DB制度に加入する社員にとっては、30年未満で
退職すると、その間に会社が基金に支払った掛金総額よりも少ない一時金額しか
もらえないという、いわゆる『赤字給付』になってしまいます。
その原因は何でしょうか?
制度開始の時点から積立不足があることで特別掛金を負担することがその原因です。
年金制度を継続するのだから、”受給権保全”のためには仕方ないのだ、という考え方もあると思います。基金内部の検討段階では、受給権を保全しないと訴訟リスクもある、とのご意見もありました。
自主勉強会では、当社(200以上の基金を研究し関与している)の見解として、次の2点を表明いたしました。
   1)法改正施行から2年経過し200以上の基金が解散した時点で、受給権者の
     受給権を満額保全して解散した基金はゼロ。
   2)受給権者からの受給権保全に関する訴訟事例は、これまでゼロ。
むしろ、解散すれば受給権は一旦解消するので、後継制度の設計自由度が生まれることから、基金解散を選択した基金が大半です。
こんなことは、当基金の受託機関であるみずほ信託銀行さんであればご存じのはずですし、同じみずほ信託銀行さんが受託機関である他基金の解散事例も多々あります。

また、今回の第2基金検討の過程で判明した”親なし受給権者”の問題もあります。
上乗せ債務がH27/3月時点で143億円あるうち、親なし受給権者の分は24億円必要です。その不足分を穴埋めして受給権を保全するために負担するのが特別掛金ということです。
お金に色はついていませんが、この特別掛金を支払うときの原資(財源)は、加入員(現役社員)たちが稼いでくれる毎期の事業利益の中から捻出するものです。
会社(社長)としても、頑張ってくれているわが社の社員のために、と思って掛金を積み立てているつもりではないでしょうか。
ところが、そのうちの一部は他社の退職者への年金給付に使われて、わが社の社員には還元されない、と分かったら、、、、それでも後継制度に加入しますか?


3.方向性再考のポイント  (右下頁8頁目)
これまでご説明申しあげたとおり、大事なポイントは次です。
①早期解散して代行分を早く国に返還する方が資産の安全確実な確保になる。
(国の運用に必ず勝てる、という保証はありませんし、負けると資産は目減りします。現にH27年度は負けました)
②後継制度では、30年以内に退職する加入者には赤字給付になる。そんな制度に加入するのでしょうか。

では、私達はどうすればいいのですか、何ができるのですか、、、加入企業の皆さんの心の声にお応えします。
”基金”とは皆さん自身です。誰が悪い、彼が悪い、といっても何も始まりません。
自分たちの責任で状況を理解して、自分たちの責任で将来方向性を判断し、その判断を、皆さんが選んだ代議員の方々にきちんとお伝えして、各理事・代議員の皆さんに基金としての決定のご判断を要請することが、皆さんに出来ることです。

先日の自主勉強会も、またこのブログを通じての情報提供・共有も、誰かを非難したり、批判したりするためではありません。基金の構成員である加入企業・加入員の皆さんが自分たちの責任として基金問題をとらえて、考えて頂くためのものです。
その点で、当社が少しでもお役に立てれば幸いです。


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