2016年6月6日月曜日

資料① 大阪金属問屋厚生年金基金 ~方向性再考に向けて~
【その1】 資料はこちら http://oval-rms.com/daikin2016060101.pdf

1.全体構造図 (2頁目をご覧ください。右下に頁数があります):
基金の全体像を図表化しました。基金には代議員会(40名)があり、代議員会が最高議決機関です。企業で言えば株主総会です。
そして代議員の半数の方が理事に就任し、20名で理事会を作っています。
理事会は執行機関で、企業で言えば取締役会に相当します。20名の中から理事長と常務理事(事務局のトップで運用執行責任者でもある)を選出しています。

基金に対して、国(厚生労働省)は厚生年金の一部の業務を代行させています。”代行”している業務とは、厚生年金保険料の徴収、厚生年金の給付、そして厚生年金分資産の運用です。

基金は、制度運営の業務をみずほ信託銀行に委託しています。基金の積立金(運用資産)は約4百数十億円(年度の運用結果によって上下しますが)ありますので、その運用報酬手数料として資産の約0.3%相当分を運営金融機関(運営主幹事はみずほ信託銀行)に支払い、また制度運営の業務委託費として約3千万円をみずほ信託銀行に支払っています。
ちなみに、この運用報酬手数料は運用成績とは連動していません。たとえ運用が赤字で運用損失を出しても所定の率の運用報酬は支払いますし、逆に運用が上手く行って大幅な運用利益が出ても運用報酬が跳ね上がることはありません。

基金の加入事業所数と加入員数は右側に書いていますが、208社・9,400人の加入員がいて、年間掛金約31億円を基金に納めています。
なお、一口に掛金といっても、その中身は種類が違います。
掛金合計31億円  代行分 17億円 (国の厚生年金保険料一部の代行徴収分)
        上乗せ分   3億円 (基金の上乗せ分給付のための積立掛金)
        特別掛金 11億円 (基金運営上の過去の赤字を穴埋めする掛金)
※この特別掛金とは、過去の赤字穴埋め分なので、加入員(現役社員)の将来の年金給付には還元(反映)されません

 一方、基金は受給権者(受給者;今、年金を貰っている方、と待期者;年金を貰える権利はあるがまだ受給年齢に達していないので年金給付をっている間にいる方、を総称して受給権者と呼びます。)が10,400人います。
そのうち、”親なし”受給権者が3,100人(全体の3割)います。親なし、というのは勤務していた事業所がもう基金には残っていない(脱退したり、あるいは廃業・倒産等の理由で)方々です。
この「親なし受給権者」が全体の3割を占める、という事実は、基金分割して第二基金を設立するための第二基金準備委員会の検討作業の中で、新たに分かったことです。
で、受給者への年金給付額は約44億円に上っています。
その年金給付の中身も、次のようになっています。
給付合計44億円  代行分 39億円(国の厚生年金の代行給付分)
         上乗せ分  5億円(基金の上乗せ給付分)

さて、ここで見てわかることがあります。基金は国の厚生年金を代行しています。掛金徴収と年金給付を代行していますが、掛金徴収額は17億円で、代行年金給付額は39億円ですので、代行部分で▲22億円もの赤字が出ています。結局、上乗せ分掛金3億円も、特別掛金11億円も、すべて代行部分の年金給付(国の年金)に消えてしまっています。
この出血を止めるためには、代行部分を早く国に返還(=解散)するしか方法はありません。
だから、私達は即時解散を望んでいるのです。
また、この2年間で249基金が急いで解散したのも同じ理由です。

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