2016年7月18日月曜日

基金解散後の後継制度をどうするか。⑨

『厚生年金基金解散手続&退職金制度の見直し』(日本法令社)、
”第10章 解散後の企業年金再生に向けて~社員の老後を支えるために~” から

STEP4 後継制度を設計する;
基金解散後はどういう制度にするかということがほぼ決まったら、次は、基金上乗せ分の補てんとして具体的には増額分をいくらに設定するかを決めなくてはなりません。当基金の場合は、加算年金支給だけなので(上乗せ分の一時金支給はない)、補填額をどの程度にするのかを決めにくいという事情があります。
一つの目安として、現行基金による上乗せ年金の平均的支給額・支給期間を標準モデルとして、基準にする方法があります。具体的に見てみましょう。

【平成27年7月代議員勉強会資料】
『平成27年3月期決算の状況および後継制度の設計(案)について』
この資料の中で、現行制度の給付内容が記載されています(18頁)。

現行基金;
平均給与30万円(賞与2か月)&加入期間40年で、年金(年額)12.9万円(終身)
”終身給付”なので、平均的支給期間は、60歳開始から平均余命;83歳まで
の23年間と想定して、平均的年金総額は12.9万円×23年=約297万円となります。

現行基金では一時金支給はありませんが、解散後の制度では一時金支給が
一般的となります。本資料でも、後継制度(案)として、平均給与30万円・加入
期間40年で65歳時受取での一時金額が242万円と設定されています。

以上から、解散後制度の給付水準目安として、平均給与30万円・加入期間40年の
場合、一時金で約242万円、年金総額で約297万円、が目安となります。

ちなみに、”基金解散後の後継制度をどうするか⑤”で紹介した日本生命の”DBパッケージプラン125プラス”の場合、掛金月額5000円の基本プランで40年加入の場合、年金原資概算額=一時金額、は約309万円10年確定年金の場合は月額27400円=年金総額329万円、ですので後継制度の給付水準を十分に超えていることが分かります。

実際の後継制度の設計段階では、自社の退職給付制度との関連性・整合性の確認や、過去加入期間分の補てん策など、詳細な検討作業が必要になりますが、大ざっぱな目安として、この程度の(例えばDBパッケージプランで一人月額5千円程度)水準を想定しておけばよいと思います。


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