2016年7月17日日曜日

基金解散後の後継制度をどうするか。②

『厚生年金基金解散手続&退職金制度の見直し』(日本法令社)、
”第10章 解散後の企業年金再生に向けて~社員の老後を支えるために~” から

STEP1 自社の退職金制度における、”基金の上乗せ分”の位置づけを確認する
基金から支給される上乗せ分(当基金の場合は”加算年金分”)が、会社の社内規程(退職金規程等)に記載されているかどうか、確認してください。
・社内規程に記載されている →基金上乗せ分は『内枠』(自社退職金に含まれる)
・社内規程に記載されてない →   〃   『外枠』(自社退職金に含まれない)



















『内枠』の場合、基金の上乗せ支給分は社内規程に明記されている労働条件の一部ですから、基金が解散することを理由に支給を停止すると、退職金額の減額になり労働条件の不利益変更に当たります。従って基金解散でなくなる上乗せ支給分は、会社がそれに見合う額を何らかの方法で肩代わりする必要があります。

『外枠』の場合、基金の上乗せ支給分が社内規程には明記されていないので、労働条件としては労務協約上に明記されていないグレーゾーンになります。これまでの退職者には支給されているので現役社員にとっては自分も退職すればもらえるだろうと期待があった、という位置づけになります。従って、内枠のように肩代わり補填が必須であるとは言い切れませんが、労使よく協議の上で決定するものとなります。

総合型基金の場合、基金上乗せ分が『外枠』である事業所が圧倒的に多いようです。これは、厚生年金基金に加入する時点で、上乗せ部分は、原則、掛金が事業主負担の企業年金制度に相当するという仕組みをよく分からないまま(そういう説明もないまま)に加入したケースが多いことに起因していると思われます。
閑話休題。
では、『内枠』、『外枠』それぞれの場合にどうすればよいか、どのような選択肢があるのか、についてご説明します。

(次に続く)



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