2016年7月18日月曜日

基金解散後の後継制度をどうするか。③

『厚生年金基金解散手続&退職金制度の見直し』(日本法令社)、
”第10章 解散後の企業年金再生に向けて~社員の老後を支えるために~” から

STEP2 解散後の補填方法を検討する:『内枠』の場合;

基金解散によって、これまで基金から支給されていた”加算年金”分がなくなりますので、それに見合う金額を、何らかの方法で社員には補填することになります。
『内枠』の場合、加算年金を含めた”退職給付総額”が社内退職給付規程等で決められていますので、基金が解散してもそもそもの”退職給付総額”は変わりません。
そこで、基金解散後の補填は、現行の会社支給分の増額によって実施できます。
下イメージ図を参照してください、。












会社支給分が退職一時金の場合には、基金上乗せ相当分だけ退職一時金支給額を増やすことになります。退職一時金ではなく、確定給付企業年金(DB)や企業型確定拠出年金(DC)の場合には、DBまたはDCからの支給額増やすことになります。

基金解散後に、残余財産の分配金がある場合、分配金は加入員(社員)に直接支払われますが、その分配金は解散前までに会社が掛金拠出して積み立てたものですので、いわば退職金積立の一部です。従って社員に支払われる解散後分配金は、退職積立金の一部前払いとして取り扱い、実際の退職時に支払われる退職金額から差し引くことで社員の同意を得ておきます。

退職者について、退職後20年以上も基金の加算年金をもらった方などは、もう十分な金額を支給されているので不足分を補填ということにはなりませんが、よくあるケースとしては、昨年定年退職したが再雇用契約で嘱託として勤務している、という場合です。定年退職して基金上乗せ分をもらいだしてまだ1年も経っていない、となると貰えるべき上乗せ分の相当分がなくなってしまうことになります。それじゃあまりに不公平だということで、基金があれば貰えたであろう支給額(期待支給額)相当分を会社から本人に支給することも可能です。ただし、どういう名目で支給するかによって税務上の取り扱い等が変わってきますので、慎重に検討が必要です。

該当するケース等でご相談希望の場合は、弊社まで(info@oval-rms.com)ご連絡下さい。簡単な無料初期レポートをご提供します。
(次に続く)

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