2016年9月17日土曜日

<理事会・代議員会のご報告> その1
基金解散の方針が正式決定されました。

9月8日の理事会、15日の代議員会で、従来の「代行返上」(代行部分を国に返して、上乗せ部分を続ける)の方針を、「基金解散」の方針に正式に変更することが決定しました。これに伴って、厚生労働省に『解散計画』の変更届け出を行うことになりました。

同理事会では、併せて平成27年度(H28/3月期)決算も承認されました。また、基金をいったん解散した後に設立する後継制度の内容も公表されました。概略と解説を以下に記載致します。

議案1.平成27年度(H28/3月期)決算内容
 積立状況を表す”貸借対照表”(バランスシート)は下図のようになりました。
 純資産は前年度末の459億円から432億円に27億円減少してしまいましたが、国の
 代行債務である最低責任準備金も前年度末の435億円から398億円に37億円減少
 したおかげで、その差額である”上乗せ資産”は23億円から33億円に増加しました。

 1年間の収支を表す”損益計算書”は下図のようになりました。
 掛金と給付の基礎収支は▲14億円の赤字(前年度の▲13億円から赤字拡大。
 掛金収入が約1億円減少したのは、加入員の平均給与・賞与の減少が原因。)
 運用はH26年度59億円の収益から一転してH27年度は▲13億円の損失に転落。
 その結果、基礎収支▲14億円と運用損益▲13億円の合計で▲27億円が年金資産
 の取り崩し(上記のバランスシートでの純資産減少)となりました。
 「基礎収支赤字を抱えて、財政回復は運用頼み」という当基金の構図そのものです。

 ・・・素朴な疑問ですが、運用損失を▲13億円も出していながら、運用報酬は前年と
 同じ2億円を支払っているのはいかがなものでしょうか。他基金では銀行と交渉して
 引き下げさせた例もあります。

 (続く)
 













    
  

2016年7月18日月曜日

基金解散後の後継制度をどうするか。⑨

『厚生年金基金解散手続&退職金制度の見直し』(日本法令社)、
”第10章 解散後の企業年金再生に向けて~社員の老後を支えるために~” から

STEP4 後継制度を設計する;
基金解散後はどういう制度にするかということがほぼ決まったら、次は、基金上乗せ分の補てんとして具体的には増額分をいくらに設定するかを決めなくてはなりません。当基金の場合は、加算年金支給だけなので(上乗せ分の一時金支給はない)、補填額をどの程度にするのかを決めにくいという事情があります。
一つの目安として、現行基金による上乗せ年金の平均的支給額・支給期間を標準モデルとして、基準にする方法があります。具体的に見てみましょう。

【平成27年7月代議員勉強会資料】
『平成27年3月期決算の状況および後継制度の設計(案)について』
この資料の中で、現行制度の給付内容が記載されています(18頁)。

現行基金;
平均給与30万円(賞与2か月)&加入期間40年で、年金(年額)12.9万円(終身)
”終身給付”なので、平均的支給期間は、60歳開始から平均余命;83歳まで
の23年間と想定して、平均的年金総額は12.9万円×23年=約297万円となります。

現行基金では一時金支給はありませんが、解散後の制度では一時金支給が
一般的となります。本資料でも、後継制度(案)として、平均給与30万円・加入
期間40年で65歳時受取での一時金額が242万円と設定されています。

以上から、解散後制度の給付水準目安として、平均給与30万円・加入期間40年の
場合、一時金で約242万円、年金総額で約297万円、が目安となります。

ちなみに、”基金解散後の後継制度をどうするか⑤”で紹介した日本生命の”DBパッケージプラン125プラス”の場合、掛金月額5000円の基本プランで40年加入の場合、年金原資概算額=一時金額、は約309万円10年確定年金の場合は月額27400円=年金総額329万円、ですので後継制度の給付水準を十分に超えていることが分かります。

実際の後継制度の設計段階では、自社の退職給付制度との関連性・整合性の確認や、過去加入期間分の補てん策など、詳細な検討作業が必要になりますが、大ざっぱな目安として、この程度の(例えばDBパッケージプランで一人月額5千円程度)水準を想定しておけばよいと思います。


基金解散後の後継制度をどうするか。⑧

『厚生年金基金解散手続&退職金制度の見直し』(日本法令社)、
”第10章 解散後の企業年金再生に向けて~社員の老後を支えるために~” から

STEP3 中小企業でも利用できる制度を確認する;

(3) 中退共(中小企業退職金共済) 
中退共の仕組みは下図のとおりです。厚生年金基金の解散後の選択肢に一つになります。なお、解散後の分配金も、中退共に移換することは可能です。
会社が所定の掛金を拠出して、中退共は運用利回り1.0%を最低保証として利息を付けた上で、退職時に中退共から本人に一時金を支給します。



以上のように、基金解散後の受け皿としては、DC(確定給付年金)、DC(確定拠出年金)を、自社単独で、あるいは既存の総合型に加入する、という企業年金の選択肢と、中退共または自社の退職金積立など、多様な制度選択肢があります。
当基金で新制度(総合型DB)設立を検討していますが、既存の制度を活用する方が、迅速な制度移行が可能です。
基金解散後の後継制度をどうするか。⑦

『厚生年金基金解散手続&退職金制度の見直し』(日本法令社)、
”第10章 解散後の企業年金再生に向けて~社員の老後を支えるために~” から

STEP3 中小企業でも利用できる制度を確認する;

(2)DC(確定拠出年金) 
厚生年金基金はDB(確定給付年金)制度であるため、資産運用利回りのアップダウンによって積立不足が発生し多額の特別掛金負担を強いられてきた、という苦い経験から、社員のために何らかの後継策を導入するとしても、運用リスクを取るのはもうコリゴリだ、社員だって会社の収益を悪化させてまで年金を増やしたいとは言わないだろう、分かってくれるだろう、、ということで会社が運用リスクを取りたくない、という流れが大きくなってきています。
そこで、基金解散後はDC(確定拠出年金)を検討する企業は増えています。

DC(確定拠出年金)制度の特徴は次のとおりです。
(ワンストップ・パートナーズ社のパンフレットから抜粋)
 
会社が毎月拠出する掛金をどう運用するかは、加入員(社員)が決定します。
運用結果によって積立金額は変動します。


制度のメリットや注意点は上のとおりです。

自社単独でのDC制度新設は難しいのですが総合型プランに加入することは簡単です。総合型プランの例では、東京海上日動火災保険が運営する”なっとく401K企業型”総合型プラン等があり、1名からでも加入できます。(同社HPより抜粋)



















(次に続く)
基金解散後の後継制度をどうするか。⑥

『厚生年金基金解散手続&退職金制度の見直し』(日本法令社)、
”第10章 解散後の企業年金再生に向けて~社員の老後を支えるために~” から

STEP3 中小企業でも利用できる制度を確認する;

(1)DB(確定給付年金) -自社単独で設立が困難な場合-
社員数が20人未満なので自社単独ではDB新設が出来ない、あるいは、大規模制度の方が安心等の理由で、単独設立DBではなく複数事業所で設立運営する総合型DBをご希望の場合には、当基金で設立検討している後継制度(総合型DB)への加入が選択肢の一つです。その他には、既に設立運営されている総合型DBに加入する、という選択肢もあります。

既存の総合型DBの例をご紹介します。
『ベネフィット・ワン企業年金基金』 ~パンフレット抜粋~
福利厚生サービス提供事業等を展開する㈱ベネフィット・ワンとオリックス等が共同で設立運営する総合型DB制度です。
”キャッシュバランスプラン”を採用しているので、積立不足が発生しにくい仕組みになっています。
掛金は月額1000円から千円刻みで設定できます。事務費も比較的割安の設定になっています。
制度の詳しい内容等はベネフィット・ワン社またはオリックス社にお問い合わせ下さい。

『ベネフィット・ワン企業年金基金』の他にも、『ぜんこくDB企業年金基金』、『西日本機械金属企業年金基金』などがあります。
簡単な資料だけをご希望の場合は、弊社まで(info@oval-rms.com)ご連絡頂いても結構です。また、当基金で検討している新制度(総合型DB)との比較検討をご希望の場合も、弊社まで(info@oval-rms.com)ご連絡ください。新制度概要が分かり次第、簡単な初期報告をご提供致します。

(次に続く)


























基金解散後の後継制度をどうするか。⑤

『厚生年金基金解散手続&退職金制度の見直し』(日本法令社)、
”第10章 解散後の企業年金再生に向けて~社員の老後を支えるために~” から

STEP3 中小企業でも利用できる制度を確認する;
基金が解散すると中小企業の企業年金制度がなくなってしまう、という声をよく耳にしますが、実際にはそんなことはありません。中小企業でも加入できる制度をご紹介します。

(1)DB(確定給付年金) -自社単独で設立の場合-
20人から設立できる自社単独のDB制度として、日本生命の”DBパッケージプラン125プラス”(確定給付企業年金保険)をご紹介します。
特長は、①小人数(最低加入員数20人)でも設立可能、②運用利回りは予定利率1.25%の最低保証(一般勘定で運用)、③掛金建てで分かり易い、等で、積立不足も発生しにくい安定運用で、また会社にも社員にも分かり易い制度設計が可能です。
掛金額は最低月額3,000円から千円刻みで設定可能です。


基金解散後の選択肢のまとめです。
DBパッケージプランは、”事業所ごとに判断④DB・DCの新設”に相当します。
当基金が検討している新総合DB基金は、”③基金解散後、総合型DBの新設”に相当します。
確定給付企業年金(DB)、確定拠出年金(DC)、中退共、そして退職一時金(年金給付型ではない)または退職金前払い、という選択肢があります。
DBパーッケージプラン125プラスの特長です。
1.25%(一般勘定)利回り保証なので、積立不足が発生しにくい仕組みです。掛金建て方式なので分かりやすい仕組みです。
基本プラン(掛金月額5000円、年間6万円)で40年加入の場合、掛金総額240万円(年額6万円×40年)が約309万円の積立金(年金原資)になることが分かります。これを10年確定年金にすると月額27,400円になります。(年金総額約329万円)




制度の詳しい内容等は保険会社等にお問い合わせのうえで、ご確認下さい。


(次に続く)
基金解散後の後継制度をどうするか。④

『厚生年金基金解散手続&退職金制度の見直し』(日本法令社)、
”第10章 解散後の企業年金再生に向けて~社員の老後を支えるために~” から

STEP2 解散後の補填方法を検討する:『外枠』の場合;

『外枠』の場合、加算年金分を補填することで、従来の社内規程に定める”退職給付総額”を増額することになります。つまり、基金解散後の補填は、現行制度の給付額を増やすことで対応できます。下イメージ図を参照してください。




補填方法は、現行の会社制度(一時金、またはDB、DCなど)の増額でも可能ですし、あるいは新たにDBやDCを新設することも可能です。
その会社単独でDBやDCを新設することが難しい場合には、総合設立型(複数の事業所で設立する制度)DBやDCに加入するのも一つの選択肢です。
解散後の制度選択肢は下図のようになります。

具体的にはどういう制度があるのかを、次にご紹介します。

(次に続く)